ゆるく生きる

ゆるく生きるために、考えます

スポンサーリンク

将棋の段位についてわかりやすく解説

藤井聡太六段の活躍により、メディアが将棋を取り上げることが多くなり、多くの人が将棋に興味をもつようになったが、まだまだわかりにくい世界だと思う。


そこで、5年前くらいから将棋を趣味にしていた私が、あまり将棋を知らない人にも興味を持ってもらえそうなことを紹介していきたいと思います。
ちなみに、棋力はアマチュア1級程度と、まあなんというか中途半端な強さです。

段位について

今回は最初ということで、段位について話をします。
日本古来の芸事には、段級位がついていることが多いですね。柔道、剣道といった武術から、そろばんや書道という文化的ものまで。


基本、より上手な人は段が上です。


でも、藤井聡太君は強いのになんでまだ六段なの、九段と対戦したら負けるんじゃないのって、不思議に感じている人も多でしょうから、今回はそのあたりことをわかりやすく伝えられたいいなと思います。

さて、始めに結論を言ってしまうと、将棋の段位はイコールその人の現在の力ではありません。

将棋の段がわかりにくいのは、主に2つの理由があります。

 

1.段があがる条件がいっぱいあること。


段があがることを昇段といいますが、その条件はいっぱいあります。

 

順位戦での昇段
順位戦とは、リーグ戦のことです。
将棋のプロは基本A級から、B1級、B2級、C1級、C2級の5つの順位に属し、1年間リーグ戦を行います。勝ち星が多く順位の高い人が、上の級にあがり、順位の低い人は下の級にさがってしまいます。
そして、これが昇段の条件になっています。

順位戦C級1組昇級 → 五段
順位戦B級2組昇級 → 六段
順位戦B級1組昇級 → 七段
順位戦A級昇級 → 八段

藤井六段が四段から五段になったのは、C級1組への昇給を決めたからでした。


竜王戦での昇段

似たようの条件ですが、竜王戦でも昇級により、昇段することができます。

竜王戦は、1組から6組に分かれていますが、こちらリーグ戦ではなくて、それぞれの組でトーナメント戦を行います。
そのトーナメント戦の成績優秀者がその上の級に昇級するのですが、昇段条件はちょっと複雑なんですよね。

条件はこちらです。

竜王ランキング戦2組昇級 → 六段
竜王ランキング戦1組昇級 → 七段

竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝 → 五段
五段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝 → 六段
六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝 → 七段

2組に入ったら六段、1組はいったら七段はわかりやすいのですが、連続昇段や通算3回優勝はなんともわかりにくい。
しかも、一度降級した後の連続昇級はだめとか、ほんと複雑。

なぜこんな事になったかというと、竜王戦は後からできて、しかも昇級が順位戦より簡単なのに、格が同じだからと無理やり昇段規定をつくったからです。


・公式戦勝ち数での昇段

さらに段位をわかりにくくしているのは、この規定で、公式戦で勝ち星を重ねていけば、順位戦などで活躍できなくても段位があがります。

四段昇段後、公式戦100勝 → 五段
五段昇段後、五段昇段後公式戦120勝 → 六段
六段昇段後、六段昇段後公式戦150勝 → 七段
七段昇段後、七段昇段後公式戦190勝 → 八段
八段昇段後、八段昇段後公式戦250勝 → 九段

たとえば将棋棋士でも40代に入ると力が衰えてくると言われます。しかし、コツコツと勝ち星を積み重ねて昇段することができるわけです。
なので、50歳を過ぎてから九段になるとか、現在の力とは関係なく昇段することもありえるのです。

この規定が実力と段位をわからなくさせている大きな原因の一つですね。


そして、これだけ終わりではなく、ほかに3つ条件がありますが、基本的な考え方は同じで、そのときの大会で良い成績を取ることです。

・タイトル獲得・タイトル挑戦での昇段

タイトル挑戦 → 五段
五段昇段後タイトル挑戦 → 六段
竜王挑戦 → 七段
タイトル1期獲得 → 七段
竜王1期獲得 → 八段
名人1期獲得 → 九段
竜王2期獲得 → 九段
タイトル3期獲得かつ八段に昇段していること → 九段

タイトル挑戦っていうのは、タイトル保持者以外の棋士でトーナメントやリーグ戦を行って勝ち上がって来たということ。そしてタイトル獲得は多くの棋士にとって一番の目標といってもよいくらいのものです。

なので、昇段するのは納得ですね。


・棋戦優勝での昇段

棋士参加棋戦優勝 → 五段
五段昇段後全棋士参加棋戦優勝 → 六段
六段昇段後全棋士参加棋戦優勝 → 七段

タイトル戦ではないですが、すべての棋士が参加する大会で優勝ですから、これも昇段するのは納得です。

藤井六段が五段から六段に昇段したのは、朝日杯という全棋士参加棋戦で優勝したからでした。


・抜群の成績による特別昇段

こんなあいまいな規定もあります。でも、タイトル挑戦や棋戦優勝に匹敵する成績が求められるので、この規定による昇段も納得ですね。
まあ、もともとこの規定は棋戦優勝での昇段規定がなかったときに使われていたものです。


というわけでなるべく簡単に書いたつもりでもこんなに複雑なんですね。

しかも、これらが複雑に絡み合っているので、単純に将棋が強いから段が上がるわけではないんです。

藤井聡太六段は、順位戦の昇級で四段から五段になり、朝日杯の優勝で五段から六段になったというのは、上で説明した通りなんですが、もし朝日杯が行われたのがもう少し早かったら、同じ成績でも、藤井五段のままだったわけです。
これひとつとても、運が絡んでいると言うか、段位が単純に力を表しているわけではないということがわかるかと思います。


2.段位はさがらない


もう一つ段位と力の関係がわからなくなる大きな原因がこちらです。

段位は一度上がると下がることはありません。

順位戦で級があがったので段位が上がったからと言って、級が下がったときに段位も下がるということはありません。

そして、先程の述べた勝ち数による昇段規定もあることから、長くやっている棋士ほど当然ながら段位が上である可能性が高いのです。

「ひふみん」こと加藤一二三九段も九段のまま引退しました。名人もとった偉大な棋士ではありますが、さすがに年にはかないませんので、最後は負けることが多かったですが九段のまま引退です。

 

将棋棋士の力を知るには


では、将棋棋士がどのくらい強いのかを知るにはどうしたらよいでしょうか。

いろいろな指標がありますが、個人的には順位戦のランクを見るのが一番良いと思います。

A級はリーグ戦を勝ち上がってきた10名しか入ることのできない場所です。B1級も鬼の住処といわれ、そうそうたるメンバーがそろっています。

多くの棋士がA級どころがB1級にもなれないのが現実なのです。

もちろん級の入れ替えは年1回だけだし人数も少ないので運不運が絡んできますが、基本的には順位戦のどのクラスにいる棋士かで、大体の強さわわかるかと思います。

もう少し詳しくしりたければ、その棋士がどう昇級したり降級してきたかの移動歴を見るのも面白いかも。

テレビ解説に出てきた棋士が現在は一番下のC2級なんだけど昔はA級でバリバリやっていた人だったんだというのもわかりますし、逆にC1にずっと停滞している棋士なんだということも。

 

藤井六段が七段になるには


最後に、次に藤井六段が七段になるのはいつか解説して終わりにします。

藤井六段が次に昇段する可能性が高いのは、竜王戦での昇段条件である「六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級」です。

藤井六段は昨年度6組から5組に昇給しており、今回の竜王戦5組トーナメントで良い成績を残せば連続昇級にあたり七段になります。当然のことながら史上最年少の七段です。

実は、次の相手は決まっており、5月18日の船江恒平六段戦です。

船江恒平六段といえば、50台以上で唯一藤井六段から勝ち星をあげている井上慶太九段の弟子、しかも同じ弟子である菅井竜也王位、稲葉陽八段も藤井六段に勝っており、一門での成績は3勝0敗。

将棋ファンならず、またもマスコミが注目することまちがいなし。

私も今から楽しみにしております。